■ 欲 望

まだ子供だった頃、欲しくて欲しくてしょうがなかった白い靴があった。

お母さんにねだり、やっと買ってもらった。

大好きなその白い靴を毎日どこへ行くにも履いていたんだ。

ある時街に出てふと靴屋さんを見た。

そこにあったのは・・・、素敵な、・・・青い靴。

二十歳で出会った素敵な女性。 

「君こそぼくの人生のすべてだ、生涯の伴侶だ」と思い求めていた。

教会で結婚式を挙げ、指輪を交わすその指が、なんだか見飽きたようで、・・・嫌になった。

限りないもの、それが欲望   流れ行くもの、それが欲望。

ご存知の方も多いと思いますが、これは井上陽水氏の「限りない欲望」という歌の内容です。

人の心のうつろいの核心を突いています。

人は欲しかったものを手に入れたとたん興味が失せていくといいます。

 

 

もしあなたや、あなたの一番大切な人が余命を言い渡されたとしたら・・・。

しかし5億円の治療費を支払えば米国で最新の治療が受けられ完治することがわかりました。

手元には先週当選し狂気乱舞した5億円の宝くじの当選金があります。

海外旅行しよう、宝飾品を買おう、家を新築、別荘もいいなと夢を膨らませていたお金です。

でもどうでしょうか? 治療のために惜しげなく5億円支払いませんか?

だとすると あなたは5億円以上あるいはお金には変えられない価値をすでに手に入れていることになりますよね。

「日常あるあたりまえの幸せ」には普段あまり気がつきません。

失いかけたときにはじめて大きかったその価値に気付きます。

健康もまた同じ。

手足が動き、食事ができ、呼吸ができることを意識し感謝することは普段あまりありません。

皆様にはかけがえのない価値があることを週に一回でも意識してみませんか。

あたりまえの幸せやからだをいたわる気持ちがその度に湧き上がってくることと思います。