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■ 守破離・・・個性とデザイン

■ 守破離・・・個性とデザイン

週一回の授業では中々伝えきれないが、学生には毎年必ず伝えたいことがある。

「守破離」 という言葉。
能から来た言葉らしい。
単純にシュハリ と読む。


物事は長い年月を経た歴史があり、失敗と成功を繰り返し現在の形がある。
物事を成し遂げるためには自分の考えは除外し、とにかくその方法を学び、頑なに守れ、という守のシュ。
没個性だね。
最も基礎的な部分で退屈で長い年月が必要かもしれない。


そしてその後はちょっとだけその教えを破壊してみろ、
自分の考えを吹き込んでみろ という破のハ。


そしてあとはそこから離れて自分の個性を作ってみろ、という離のリ。

デザインは個性が大事。
でもそこを勘違いしてもらっちゃ困る。
基本の無い個性は見苦しい。
悪乗りに過ぎない。

なんてことを思っていたら、
アップルのデザインの責任者、ジョニー・アイブがニューヨークタイムス紙で語っていた。

初代アイポッドをシンプルにしたいために、最終的に残した機能と同じくらい大事な機能を省いた・・・中略
面白いのは・・・、やりすぎるというシンプルさの表現からとても個性的なものが生まれるということです。
個性的であることを目的としたわけではありません。
個性的なだけのものなら簡単に作れますからね。
シンプルを追求して追及しつくした結果個性が生まれる。
そういうことがわかった時、面白いなと思いました。

複雑にしたらアイポッドは終わっていたというのだ。


シンプルと殺風景(物足りない)は微妙な、実に微妙な違いがある。
この微妙な違いは自分勝手な個性からは生まれないと思う。
アップル社は樹脂の持つ安っぽさ(天然素材に比べた場合)を樹脂ならではの素材感に変えた最初のメーカーではないだろうか。
これらは思いつきや俗に言う「センス」だけでは決して生まれてこない。

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